第二章
二人がほとんど宿屋の近くまでやってきたとき、――Kには道の曲り角でそれとわかった――Kが驚いたことには、もうすっかり暗くなっていた。そんなに長いあいだ出かけていたのだろうか? 彼の計算ではほんの一、二時間ぐらいのはずだった。それに、出かけたのは朝だったし、ものが食べたいという気も全然しなかった。ほんの少し前まではずっと変わらぬ日中の明るさだったのに、今は急に暗くなっている。「日が短いんだ、日が短いんだ!」と、彼は自分にいって聞かせ、そりからするりと降りて、宿屋のほうへ歩いていった。
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