さっきからずっとKは彼の顔を探るように見ていたが、今度は最後にまたその顔をそっと見た。バルナバスはおよそKと同じ背の高さだが、それでもKに対しては伏し眼づかいのように見えた。だが、その様子がほとんど謙虚なほどなので、この男がだれかに恥かしい思いをさせるようなことはありえなかった。もちろん、この男はただの使者であり、自分が運ぶように命じられた手紙の内容を知らなかったが、彼のまなざし、微笑、歩きかたは、自分の使者という身分について何も知らなくとも、いかにも使者らしい様子であった。そして、Kが彼に手をさし出すと、彼はそれに驚いたらしかった。というのは、彼はただお辞儀だけしようと思ったのであった。
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