ランボオ詩集 中原中也訳





     飾画篇



 静寂


アカシヤのほとり、

波羅門((バラモン))僧の如く聴け。

四月に、櫂は

鮮緑よ!

きれいな靄((もや))の中にして

フ※[#小書き片仮名ヱ、104-7]ベの方(かた)に! みるべしな

頭の貌(かたち)が動いてる

昔の聖者の頭のかたち……

明るい藁塚はた岬、

うつくし甍((いらか))をとほざけて

媚薬(びやく)取り出しこころみし

このましきかな古代人(びと)……

さてもかの、

夜(よる)の吐き出す濃い霧は

祭でもなし

星でなし。

しかすがに彼等とどまる

――シシリーやアルマーニュ、

かの蒼ざめ愁(かな)しい霧の中(うち)、

粛として!





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