朝の思ひ
夏の朝、四時、
愛の睡気がなほも漂ふ
木立の下。東天は吐き出だしてゐる
楽しい夕べのかのかをり。
だが、彼方(かなた)、エスペリイドの太陽の方(かた)、
大いなる工作場では、
シャツ一枚の大工の腕が
もう動いてゐる。
荒寥たるその仕事場で、冷静な、
彼等は豪奢な屋敷の準備(こしらへ)
あでやかな空の下にて微笑せん
都市の富貴の下準備(したごしらへ)。
おゝ、これら嬉しい職人のため
バビロン王の臣下のために、
ニュスよ、偶には打棄(うつちや)るがいい
心驕((おご))れる愛人達を。
おゝ、牧人等の女王様!
彼等に酒をお与へなされ
正午(ひる)、海水を浴びるまで
彼等の力が平静に、持ちこたへられますやうに。
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