ランボオ詩集 中原中也訳



 恥


刃(は)が脳漿を切らないかぎり、

白くて緑(あを)くて脂(あぶら)ぎつたる

このムツとするお荷物の

さつぱり致そう筈もない……

(あゝ、奴は切らなけあなるまいに、

その鼻、その脣(くち)、その耳を

その腹も! すばらしや、

脚も棄てなけあなるまいに!)

だが、いや、確かに

頭に刃、

脇に砂礫(こいし)を、

腸に火を

加へぬかぎりは、寸時たりと、

五月蠅((うるさ))い子供の此ン畜生が、

ちよこまかと

謀反気やめることもない

モン・ロシウの猫のやう、

何処(どこ)も彼処(かしこ)も臭くする!

――だが死の時には、神様よ、

なんとか祈りも出ますやう……





この本を、全文縦書きブラウザで読むにはこちらをクリックしてください。
【明かりの本】のトップページはこちら

 
 
 
以下の「読んだボタン」を押してツイッターやFacebookを本棚がわりに使えます。
ボタンを押すと、友人にこの本をシェアできます。
↓↓↓ 

Facebook Twitter Email
facebooktwittergoogle_plusredditpinterestlinkedinmailby feather

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です


*

次のHTML タグと属性が使えます: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <strike> <strong> <img localsrc="" alt="">