ランボオ詩集 中原中也訳



 幸福


  季節(とき)が流れる、城寨(おしろ)が見える、

  無疵((むきず))な魂(もの)なぞ何処にあらう?

  季節(とき)が流れる、城寨(おしろ)が見える、

私の手がけた幸福の

秘法を誰が脱(のが)れ得よう。

ゴオルの鶏(とり)が鳴くたびに、

「幸福」こそは万歳だ。

もはや何にも希ふまい、

私はそいつで一杯だ。

身も魂も恍惚(とろ)けては、

努力もへちまもあるものか。

  季節(とき)が流れる、城寨(おしろ)が見える。

私が何を言つてるのかつて?

言葉なんぞはふつ飛んぢまへだ!

  季節(とき)が流れる、城寨(おしろ)が見える!





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