Kが汚れ水の入ったバケツをもち去り、きれいな水を運んできて、今度は教室の塵を掃(は)き出し始めたとき、およそ十二歳ばかりの少年が長椅子から立ってやってきて、Kの手にさわって、この大さわぎのなかで何のことやらまったくわからぬことをいうのだった。そのとき、いっさいのさわぎがぴたりとやんだので、Kは振り返った。朝からずっと恐れていたことが起ったのだった。ドアのところに例の教師が立ち、この小柄な男はそれぞれの手で一人ずつの助手の襟首をつかんでいた。彼はおそらく助手たちが薪をもち出しているところをつかまえたのであった。というのは、力強い声で次のように叫び、一語一語に間をおいて区切っていうのだった。
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