恥
刃(は)が脳漿を切らないかぎり、
白くて緑(あを)くて脂(あぶら)ぎつたる
このムツとするお荷物の
さつぱり致そう筈もない……
(あゝ、奴は切らなけあなるまいに、
その鼻、その脣(くち)、その耳を
その腹も! すばらしや、
脚も棄てなけあなるまいに!)
だが、いや、確かに
頭に刃、
脇に砂礫(こいし)を、
腸に火を
加へぬかぎりは、寸時たりと、
五月蠅((うるさ))い子供の此ン畜生が、
ちよこまかと
謀反気やめることもない
モン・ロシウの猫のやう、
何処(どこ)も彼処(かしこ)も臭くする!
――だが死の時には、神様よ、
なんとか祈りも出ますやう……
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