「助手たちはここに残る。引越しのときに君の手伝いをするためだ」と、Kはいった。とはいえ、二人はそんなことを承知はしなかった。腹がいっぱいになり、気分が朗らかだったので、少し運動したいのだ。
「そうよ、あなたたちはここに残るのよ」と、フリーダがいったとき、やっと二人は承知した。
「私がどこへいくのか、君知っているかい?」と、Kはきいた。
「ええ」と、フリーダはいう。
「それで、君はもう私のことを引きとめないのかい?」と、Kはきいた。
「いろいろな面倒におあいになるわ」と、彼女はいった。「でも、わたしが何をいったって、なんにもならないわ」
彼女はKに別れの接吻をし、Kが昼食を食べていなかったので、下から彼のために運んできていたパンとソーセージとの小さな包みを彼に渡した。そして、あとではもうここへではなく、まっすぐ学校へいくように、と彼に念を押し、彼の肩に手を置いて、ドアの前まで彼についてきた。
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